青年海外協力隊/大学生/野菜/野生/野性
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今日は残りの人生の最初の日

山梨大学4年→京都大学大学院生 兼 青年海外協力隊29年度2次隊。フィリピンへ。人生ネタを書きます。

学部卒の僕が青年海外協力隊を目指した本当の理由

 

僕は、学部卒で他の就職活動を全くせずに、青年海外協力隊になることを目指した。

そして来年、23歳でフィリピンに派遣される。

 

青年海外協力隊事業とは、ODA予算により独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施する事業である。

先日、「アジアのノーベル賞」と言われるマグサイサイ賞青年海外協力隊が受賞し、大きなニュースになった。

 

青年海外協力隊事業の目的は大きく3つあるらしい。

 

  (1)開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与
(2)友好親善・相互理解の深化
(3)国際的視野の涵養とボランティア経験の社会還元

詳しくはリンク先を見て欲しい。

JICAボランティアの事業概要 | JICAボランティア

 

この事業は対象年齢が20歳から39歳であるにもかかわらず、

参加者の多くは20代後半から30代である

帰国者の概要【企業・団体】 | JICAボランティア

 

稀に大学を休学して派遣される隊員もいるが、基本的には社会で実務経験を積んでから協力隊になる人が多い。参加者の志願動機も本当に様々で、海外に住みたい、自分探しをしたい、偶然募集の広告を見た、そのような理由から志願する人も多いようだ。
さらに、職種によっては実務経験の有無を問われる項目もある。

 

一人の派遣に数千万円の税金が投じられ、国際ボランティアを目的に開発途上国に赴任するオフィシャルな職員なのだから、協力隊になるために経験量や知識量は持っていて持ちすぎることはないだろう。

 

日本人もいない未知の地に一人で行き、そこで何ができるか。その人のこれまでの経験と知恵にかかっているといっても過言ではないだろう。

さらに、現地での立ち居振る舞いや活動によっては、日本の信用に関わるといってもいい。

しかし、上記の目的の(3)を満たしやすいのは、より若い世代だと僕は思っている。

 実務経験がない分、社会への還元の仕方は多様で柔軟になると思うからだ。

 

では何故、22歳の自分が青年海外協力隊を目指したか。

 

その理由はたくさんあるが、ここでは2つあげよう。

 

 

1.国際協力の道に進むことを高校時代から志してきた

 

 

僕は、今後国際協力の道に進みたいと考えている。

これまで、国際協力といえばJICAか国連職員かNGOか、という考え方に縛られてきた。

今でもこの考え方は若い世代に一般的かもしれない。

 

しかし、今現実の社会の中で、どこの道に進むにしても必ず大きな葛藤がついてくるし、やりたいことだけをやるということは不可能だ 

 

それをいわば国際協力という専門分野の中から考え直す期間を設けたかったのだ。青年海外協力隊には、日本国家という後ろ盾があり、守られた環境の中で活動できる。その中で比較的自由度が高い。日本国内での国際協力へのきっかけとしては、恵まれた(恵まれすぎた)制度であることに間違いない。

さらに、協力隊生活の中でネットワークが世界中に広がる。自分の活動と同時に、地球の裏側では同期が奮闘しているのだ。先輩隊員も50年前の世代まで日本中にいる。

 

国際協力への関わり方を考え直し、次の行動に移すための期間としてこの2年間を使おう

 

そう考えた。

 

 

  2. 大学院で自分の専門分野を深めたい 

 

幸か不幸か、僕は大学の入学試験に失敗し、当初の希望とは異なる大学で、異なる学問をしている。3年が経過し、卒業間近になっても最終的にやりたい学問に変化はなかった。

具体的にいうと、僕は大学では実学としての農学を学びたかったのだが、今は環境科学を専攻している。今の大学に入学するときには、大学院で専攻を変えることを考えていた。

当時は、まず広く農業のバックグラウンドである環境を体系的に学び、それから自分の専門を狭めていこう。それに実家から通える分、金銭的、時間的余剰は他の諸活動に回そうと前向きに捉えることにした。

 

結果的に、農業と環境には密接な関わりがあるので、学部で学んできたことはこれから先も役立つだろうと考えている。現に大学院の試験勉強には大いに役立った。

 

青年海外協力隊事業は、自分の専門性を深める機会になる

 

しかし、大学院から専攻を変えることは容易ではない。 

やる気と気概がある人にとって、自分の専攻の勉強にプラスαで興味のある分野を独学することは簡単なことかもしれないが、僕にはできなかった。

よって、大学院で何を学びたいか、そもそもそれを考えることに限界があった。

関心ごとはあるのに、専攻が違いすぎて具体的な研究テーマがわからないという事態に。
そこで協力隊の大先輩に頂いたアドバイス、

 

「協力隊に行って研究テーマを持ち帰ってくるのはどうか」

その言葉に傾くことになった。

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(写真は、ラオス稲作隊員を経て海外の大学院に進学し、国際協力の分野を退いた今は専業有機農家をされているIさんとその奥様)

 

僕は大学院で、東南アジアの地域を環境生態学的に研究する。僕の視点では、現地の伝統的有機農業がキーワード。学部で他分野を専攻した僕には、ここまでテーマを決めることが精一杯で、それ以上深めるためにはさらなる調査が必要だ。
しかし、協力隊に行っている間は、

 

自分の関心のあるテーマを、より本場に近い場所で、見つめる時間がある

 

 

青年海外協力隊事業の問題点、懸念点として大きいのは、

その後の進路が不透明なことにある。

 

帰国者の中には、行く当てがないから、後発的に大学院に進学するというアイディアが浮かびその後国内外の大学院に進学する人も多い。しかし、出国前に進学することを念頭に、現地で自分の視点で研究しながら活動することができるのも、学部卒の協力隊員だからできることではないだろうか。

 

さらに、協力隊には少額だが手当が支給される。節約すれば年間100万円以上の貯蓄が可能だ。僕のような貧乏学生にとって、大学院での研究テーマを考えながら、調査を行え、しかも学費に当てられる資金が貯められるということは非常にありがたいことではないだろうか。